農園概要

こなつ農園

(1)農園概要
 熊本城から南に15km。周囲を里山に囲まれた小さな田園地帯の中に農園を構えています。
 化学合成された肥料や農薬に頼らず、土づくりを基礎とした稲作をおこなっております。

(2)経営理念
「豊かな自然環境と持続可能な農業を将来世代に継承する」
地域農業の抱える問題(高齢化、担い手不足)や当農園の果たすべき役割などを踏まえ、これを経営理念とすることにしました。
迷った時にはこの原点に立ち返り、少しずつ歩を進めていきたいとと考えております。

(3)農園主の思い
未来を担う子供達のために、豊かな自然環境を残したい。
未来を担う子供達のために、稲作とその文化を残したい。
田園風景の広がる田舎町で農家の長男として生まれ、子どもの頃は目の前に広がる川や野山が遊び場であった。
農業が嫌で田舎を離れ、都会で会社勤めをしていたが、年を重ねるごとに田舎が懐かしく感じられる。
故郷に帰る度に、担い手がおらず耕作放棄地がちらほらと見受けられ、既に産地の衰退がはじまっている。心のどこかにずっとこのことが引っ掛かっていた。

そして、2013年に稲作農家への道を決意。
「豊かな自然環境と持続可能な農業を将来世代に継承する」を経営理念に掲げ、環境負荷の軽減に配慮した「環境保全型農業」に取り組んでおります。
夢は、若い稲作農家が互いに切磋琢磨し、地域の稲作を担っている姿です。

里山に囲まれた小さな田園地帯

城南町沈目地区は弥生時代から続く稲作地帯。
稲作に適した「水」「気候」「土壌」の条件が揃っている恵まれた場所。
小さな産地ですが食味の良いお米が育つ米どころとして地元周辺では知られています。

【気候】-里山の残る田舎町-
里山に囲まれた沈目地区は昼夜の温度差が大きいため、デンプンの生成が促進され、甘味のある美味しいお米が育ちます。

【水】 -ミネラルと養分が豊富な河川-
浜戸川は小さいですが、稲が最も必要とするケイ酸が県内河川の中でも多く含まれております。
このケイ酸の働きで、病害虫に強く光合成を活発に行う丈夫な稲に育ちます。

【土壌】-水はけが良い沖積層地帯-
浜戸川流域の水田地帯は沖積層で形成され水はけが良いのが特徴です。
このため、稲は過度に養分を吸収することがなくすっきりとした食味の良いお米が育ちます。

よくある質問

Q 有機JAS米とはどのようなものですか?
A 農林水産大臣が定めた品質基準や表示基準に合格したお米です。
具体的には以下のような細かい条件も満たす必要があります。

①物理的条件
・隣接地から、化学合成された農薬や肥料などの飛散を防止しなければならない。
・具体的には隣接地より1m以上の緩衝地帯を設け、また無人ヘリで農薬散布する隣接地からは5m以上距離を確保すること。

②時間的条件
・化学合成された農薬や肥料を過去3年以上使用していないこと。
・当農園で唯一行う種子消毒には有機JASで使用を許可された酢を使用しています。
Q 有機JASとそうでないお米の違いは何ですか?
A いずれも無農薬・無肥料で行う栽培方針に違いはありません。
有機JASではないお米は以下のような水田で栽培しております。

①物理的条件
・ヘリ防除を行う隣接水田から5m以上の距離が確保できない。

②時間的条件
・引退された農家さんから借り受けた田んぼなど、無農薬・無肥料の栽培が3年に満たない。
Q 乾燥は天日干しですか熱風乾燥ですか?
A 機械を使用した熱風乾燥です。
一般的なお米の乾燥は50℃程度(24時間)で行われています。
しかし、こなつ農園では美味しさにこだわり、乾燥温度30℃で48時間と2倍の時間をかけてゆっくり乾燥させます。
※天日干しが美味しいのは低温でゆっくり乾燥するためお米が傷つかないからです。
Q 栽培の特徴を教えてください。
A 無農薬・無肥料栽培です。
田んぼには肥料となるようなものは入れておりません。
唯一、稲刈りの際に発生する稲わらを田んぼに鋤き込みます。

過去には乳酸菌や光合成細菌を培養し、一部の田んぼに投じていました。
しかし、窒素過多※となる傾向があり食味が悪くなると判断しました。
※窒素過多は、畔草の葉の色より田んぼの稲の葉の緑が濃かったことから判断しました
※窒素過多の田んぼでは玄米中のタンパク質含有率が高くなり食味が落ちる原因とされています